開発・導入事例

2026年7月6日

食品物流にAI物量予測とシフト最適化を開発導入——現場を変える設計と進め方

食品物流にAI物量予測とシフト最適化を開発導入——現場を変える設計と進め方

「明日の物量が読めない」「シフトは毎回ベテランの勘頼み」。この悩みに対して、私たち株式会社猛烈エンジニアリングは、愛媛県内の食品物流企業と開発プロジェクトを進めています。作っているのは、AIによる物量予測と人時管理・シフト最適化のシステムです。

本記事では、このプロジェクトで「何を、どんな順番で、どんな考え方で作っているか」を紹介します。導入後の効果検証はこれからの段階のため、成果の断定ではなく、設計の意図と進め方を正直にお伝えします。

この記事でわかること

  • 食品物流の現場が抱える3つの課題と、その構造
  • 私たちが開発している「物量予測・人時可視化・シフト原案生成」の中身
  • AI任せにしない設計思想と、現場に定着させるための工夫
  • 相談から段階導入までの具体的な進め方

日本の物流現場でトラックに荷物を積み込む作業員

発端は「毎朝の人数決め」が限界を迎えていたこと

このプロジェクトの出発点は、日々変動する物量に対する人員配置が、特定の責任者の勘と経験に依存していたことです。

食品物流の現場では、扱う物量が曜日やイベント、市場の休みによって大きく上下します。ところが翌日の人数を決める材料は、責任者の頭の中にしかありませんでした。

ヒアリングで印象的だったのは、「シフトをゼロから組む作業が、責任者の最大の負担になっている」という声です。私たちが現場の記録を拝見すると、勤怠・物量・作業実績・シフト表がすべて別々の台帳に分かれていました。

課題は大きく3つに整理できます。変動する物量勘頼みの人員配置、そして慢性的な人手不足。この3つが絡み合い、忙しい日は残業、余裕のある日は過剰配置という状態が続いていました。

私たちが開発しているもの——3階建ての仕組み

開発しているのは、「見える化→物量予測→シフト原案生成」を一気通貫でつなぐ3階建ての仕組みです。

人時の可視化・AI物量予測・シフト最適化の3階建ての仕組み(図解)

いきなりAIで最適化するのではなく、まず事実を見える状態にする。その土台の上に予測と自動化を積む構成にしました。順序設計こそ、この種のプロジェクト最大のリスク管理です。

仕組み何をするか現場での使われ方
人時の見える化ダッシュボード昨日の物量・計画人時・実人時・残業を集計翌朝、1画面で前日の実態を確認
AI物量予測モデル曜日・イベント・市場休から翌日以降の物量を予測「なぜこの数字か」の内訳付きで人数決めの根拠に
必要人時の逆算とシフト原案生成予測物量から必要人数を逆算し、シフトの叩き台を自動生成ゼロから組む作業を「原案を直す」作業に置き換え

予測モデルには、火曜市や感謝デーなど地域イベントごとの物量係数を組み込みました。係数は過去データから自動で学習します。「明日の予測=曜日の基準+イベント分」と内訳で示す設計です。理由の見えない数字を、現場は信用しないからです。

「AIが決める」のではなく「人が直せる原案」を出す

このシステムの核心は、AIを最終決定者にせず、責任者が確定する下書きエンジンに徹させた設計にあります。

シフトの完全自動化は、あえて狙っていません。AIが出すのはあくまで原案です。勤務可能時間や希望休、「必ず2名で組む」などの現場ルールを反映した叩き台を生成します。最終確定は人の仕事です。

もう1つのこだわりが、安全側に倒す非対称設計です。過剰な配置は削減候補として提示しますが、過去に遅延が起きた物量帯の人数を下回る提案はシステム側でブロックします。人手を削りすぎて現場が崩れることを、構造で防ぐ考え方です。

予測が外れた日には、責任者が「なぜ多かったか」をコメントで記録し、次回以降の予測に反映するループも設けました。使うほど現場の暗黙知が蓄積される仕組みにしています。

一般に、こうした需要連動型の人員計画では、過剰配置と残業の圧縮、シフト作成時間の短縮が見込まれます。本プロジェクトでも過去データでの検証を重ねながら、導入後に効果を実測していく計画です。

「うちの現場でも作れるのか」と気になった方は、無料で相談するからお気軽にお問い合わせください。 従業員10名規模の企業からのご相談実績もあります。

導入はどう進むのか——ヒアリングから段階導入まで

進め方の基本は、「ヒアリング→データ確認→見える化→予測→シフト原案」という段階導入です。

ヒアリングから段階導入までの4ステップ(図解)

最初から大きなシステムを作るのではなく、小さく確実に価値が出る順番で進めます。各段階で現場に使ってもらい、信頼を得てから次に進む流れです。

段階やることポイント
1. ヒアリング業務フロー・困りごと・数値の定義を確認「実人時」など言葉の定義合わせから始める
2. データ確認勤怠・物量・実績データの有無と質を診断今あるデータで何ができるかを見極め
3. 見える化ダッシュボードで日々の実態を1画面にAIの前に、まず「事実の鏡」を作る
4. 予測・原案生成物量予測と必要人時、シフト叩き台へ拡張精度を検証しながら段階的に解禁

私たちがデータ診断で最初に確認するのは、精度の高いAIが作れるかではありません。台帳同士を突き合わせられるかです。実際、このプロジェクトでも複数台帳の統合とデータの正規化に、開発初期の力点を置きました。

愛媛の中小企業がAI導入で押さえるべきこと

愛媛の物流・製造の現場でAI導入を成功させる鍵は、最新技術の採用よりも「今あるデータで何ができるか」の見極めです。

愛媛の物流現場では、勤怠や出荷のデータは日々蓄積されているのに、活用されないまま眠っているケースが目立ちます。裏を返せば、新たな計測機器を入れなくても始められる会社が多いということです。

もう1点、開発の投資負担には省力化・生産性向上系の補助金を検討する余地があります。当社はシステム開発から補助金活用の検討まで、一気通貫で支援しています。この点は自社だけで判断せず、早めに専門家へ相談してください。

まとめ——小さく始めて、現場と一緒に育てる

AIによる物量予測とシフト最適化は、完全自動化を目指さないほうが定着します。人が判断しやすい根拠と原案を出す道具としての設計が肝心です。

本プロジェクトも、見える化から始めて予測・シフト原案へと段階的に育てている途中です。進捗や検証結果は、今後も本メディアで発信していきます。

物量の変動、勘頼みのシフト、人手不足。1つでも心当たりがあれば、データの診断からご一緒できます。まずは無料で相談するから、現場の状況をお聞かせください。 相談は無料、売り込みなしの現状整理だけでも歓迎です。

よくある質問

AI・DXの活用、まずは無料でご相談ください

御社の業務課題に合わせて、システム開発・AI導入から補助金活用まで、無料で診断・ご提案します。

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